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国内助成プログラム同窓会企画in沖縄「今そこにある協同を確かめる。沖縄の自然文化満喫1泊2日ツアー」開催報告【DAY1】

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旅のしおり

情報掲載日:2026年7月8日

旅のしおり

※この記事は広報誌「JOINT」に掲載したレポートの拡大版です。

執筆 ◉ 新出洋子(トヨタ財団広報)


 
2026年3月7日〜8日にかけて、国内助成プログラム主催の同窓会企画「今そこにある協同を確かめる。沖縄の自然文化満喫1泊2日ツアー」を実施しました。

この同窓会企画は、助成対象先の関係者同士が集い、交流を通じて経験や学びを共有・深化させる機会として2022年から毎年開催しているものです。全国各地から、助成年度を超えてさまざまな方にご参加いただいています。

今回、企画の受け入れを担ってくださったのは、2022年度国内助成プログラム「2)地域における自治を推進するための基盤づくり」の助成対象者である久高友嗣さんのチームです。

同チームの助成題目は「キャンプが生む自治基盤組成の検証と実践―リアルとネット、業界や地域を往き交う共営」。キャンプという手法を通じて参加者同士が協力・対話し、新たな関係性を築くことで、自治型社会の形成に寄与する仕組みづくりを目指して活動されています。今回は、そんな久高さんのチームならではの特別な旅程が組まれました。

今回のツアーは、沖縄の固有の環境や事柄を見つめることで「その土地ならではの自律・自立の姿(=自治)」を見出すことを目的に企画されました。南部から北部まで、環境や文化、社会(福祉)の最前線で活動する方々を訪ねる旅程には、独特な沖縄の地に触れることを通じて、各地の地域資源への見方や自治にまつわる考えを深めるきっかけづくりとしたいという狙いが込められています。そのため訪問先は、久高さんをはじめとするチームの皆さんが「私たちがご紹介したい方々を悩みに悩んで厳選しました」と語る通り、単なる名所ではなく、沖縄という土地の現状に深く根差し、自律的な営みを実践されている方々の現場が選定されました。

また、事前に配布された「たびのしおり」には持ち物としてマイカトラリーやレジャーシートの持参が並びました。キャンプは一時的な共同生活であり「自ら空間や時間を作ること」と定義づけ、同じ空間でそれぞれの個性を重ねながら過ごすことによって生まれる協同や自治を感じてほしいという目的がありました。今回は、キャンプといってもテントを張って屋外で寝起きするものではなく、ピクニックを通じて、その定義を疑似体験する形式をとりました。


DAY1

OIST(沖縄科学技術大学院大学)

OIST(沖縄科学技術大学院大学)

15名の参加者と財団スタッフが小さなマイクロバスに乗り込み、まず向かったのは恩納村のOIST(沖縄科学技術大学院大学)このリンクは別ウィンドウで開きますです。213ヘクタールの広大な敷地を誇る恩納キャンパスでお会いしたのは、同学プロジェクトディレクターの宮城康智さん。高級リゾートホテルや美術館を彷彿とさせるような施設を見学したあとは、宮城さんがディレクションするテストベッド(新しい技術やシステムなどを実用環境に近い形でテストする場)プロジェクトについて説明していただきました。

OISTは基礎研究を中心に行っているため、研究成果を産業に直接連携させることは稀です。そうした現状に対して、宮城さんのプロジェクトチームでは企業との協同による実証実験を沖縄で展開することで、研究者のキャリアにおける新たな選択肢としてスタートアップを提示するとともに、その仕組みを日本に根付かせること、また同時に沖縄の地域課題の解決に貢献することを目指しています。こうした取り組みによって、徐々に社会と研究のつながりの手ごたえが生まれ始めているとのことでした。

参加者のコメント抜粋(クリックすると拡大してご覧いただけます)

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アメソコネソコ

アメソコネソコ

世界に誇る最先端研究機関を見学したあとは、今帰仁村に移動して「アメソコネソコこのリンクは別ウィンドウで開きます」を訪問しました。出迎えてくださったのは満名匠吾さん。アメソコネソコは集落名に由来し、漢字にすると天底根底、天の底と根の底の中間である地上を意味しているとのことです。サッシがなく開かれた開放的な木造のお家の縁側やたき火のそばに座り、ウェルカムドリンクのサトウキビジュースをいただきました。かつて畑だった隣の敷地に自生するサトウキビがちょうど収穫の最盛期で、採りたてを搾る実演を見せていただきました。中には満名さんに倣ってサトウキビをかじってみる参加者もいました。

また、薪を使うタイル張りの台所では、2種類の「うむくじ(芋くず)」アンダーギーを揚げていただきました。「うむくじ」とは紅芋と芋のでんぷんで作る揚げ物のことで、1つはカラキという琉球シナモンで煮出したお茶を使って生地を作り、黒糖をまぶして甘く仕上げたもの。もう1種類は濃いめのかつお出汁にニラが入った味つけでした。どちらも味わったことのないもちもちとした食感と風味で、揚げたての美味しさに食べすすめる手が止まりませんでした。他にもラード、砂糖、粉だけで作った伝統的なちんすこうや、唐九年母(からくねんぼ)という柑橘を使った琉球王朝時代からあると言われる「きっぱん(柑橘の皮のコンポートを固めたようなもの)」もいただきました。

満名さんがガスを引かず、電気も極力使わない暮らしを営んでいるのは、それが沖縄の風土と文化に根差したものだからです。物に溢れた消費経済とは対極にある暮らしの知恵と豊かさに触れ、心も頭もお腹も満たされてアメソコネソコをあとにしました。

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ホルトノキ

ホルトノキ

宿泊施設のホルトノキこのリンクは別ウィンドウで開きますに到着すると、広く居心地の良いメイン棟で美味しいコーヒーをいただきながら、翌日訪問予定の場所である共同売店について予習を行いました。話をしてくださったのは、共同売店の現状や魅力を広く伝える活動を行っている眞喜志敦さんです。共同売店とは沖縄特有の相互扶助の仕組みで、住民が資金や知恵を出し合い協力しながら運営する商店のことです。その歴史は古く、1609年の薩摩藩琉球侵攻時にルーツがあると言われており、共同売店として確立したのは明治時代に遡ります。単にモノを買うだけの店という役割を超え、住民が集い、互いを守る互助の場としての役割も担っていることが分かりました。

久高さんチームのメンバーで今回の同窓会を企画してくれたうちの一人、眞喜志さんのお弟子さんでもある小林未歩さんからは、翌日訪れる嘉陽共同売店について、同売店を描いた短編映画の上演とともにお話をしていただきました。小林さんは、翌日ガイドをしてくださる山田さんとともに嘉陽共同売店を拠点とした「愛と希望の共同売店プロジェクト」の活動を続けて8年ほどになります。共同売店の運営や機能を今の嘉陽に合う形にしていこうと、 嘉陽にルーツのある山田さんと、東京出身の小林さんのタッグによる呼びかけで、住民とともに試行錯誤をしてきたことが紹介されました。

学びのあとの夕食は、気持ちよく晴れた屋外でこだわりの食材をたっぷり使ったBBQ。食事の美味しさもさることながら、一日で学んだことの振り返りや、まだお互いを知る過程ということもあり、あちこちで会話が弾んでいました。

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森のナイトツアー

森のナイトツアー

初日の最後の旅程は森のナイトツアーこのリンクは別ウィンドウで開きます。ガイドをしてくださったのは、やんばるに魅了されて関東から移住したという上開地広美さん。まだ北風が冷たい中、春の訪れを告げる花の香りの紹介からツアーがスタートしました。香りの正体はどんぐりの花。雄花と雌花の見分け方やどんぐりの数など木の生態について学んだあとは、すぐ足元の石づくりのガードレールの隙間に潜む生き物と対面。サツマゴキブリというゴキブリの一種でした。この種は羽がなく飛ぶことはできません。オスとメスを比較しましたが、メスの方が1.5倍ほどのサイズがあります。メスは胎内で卵を育てることなどを教えていただき、何名かの参加者はゴキブリを手に乗せてみて、怖くて気持ち悪いものという概念を覆すような体験をしました。その後は二手に分かれて散策し、カエルや虫、座頭虫など多くの生き物を観察しました。

本来ならば3時間ほどかかるツアーを40分に凝縮していただいたこともあり、次は家族を連れて3時間コースを体験しに来たいという声が多く挙がっていました。少し曇ってはいたものの、星空もきれいで暗闇に目が慣れると無数の星が観測できました。

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