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財団イベント・シンポジウムレポート

アジア隣人プログラム特別企画「未来への展望」の中間ワークショップを開催しました。

情報掲載日:2013年7月24日

7月19日(金)アジア隣人プログラム特別企画「未来への展望」の中間ワークショップ「国際協力NGOの役割とは?〜「経験交流」から見えたこと、「未来への展望」に向けたキーワード」を新宿三井ビル44階会議室にて開催しました。

 特別企画「未来への展望」は、アジア各地で様々な活動をしてきた団体がその経験を組織内外の関係者と振り返るための経験交流活動の開催、そこで明らかとなった知見や提言を報告書としてまとめ、広く発信する企画に対して助成するプログラムです。2012年度限定の特別企画として実施され、国内外19の団体が現在活動を進めています。

 また、当財団では、本プログラムの助成成果を取りまとめることで、これからの国際協力のあり方さらには、日本及びアジア社会の今後について貴重な知見を得ることができるのではないかと期待しており、その成果を広く発信したいと考えています。

 今回の中間ワークショップでは、助成団体がすでに実施した、経験交流活動(ワークショップ等)の成果の共有、報告書のまとめ方についての意見交換、プログラム全体としてどのようにとりまとめていくのかについて議論することを目的に開催しました。

 ワークショップには、日本を拠点に活動する12団体16名が参加しました。また、事前に詳細なアンケートについて全19団体から回答いただき、意見の共有をめざしました。

 以下に、第一部、第二部での参加者の発言や議論の内容について紹介いたします。

第一部    経験交流成果の共有

ミニシンポジウム写真

 第一部は、参加者全員が車座になり、すでに経験交流を行った団体のメンバーからそこから得られた成果についての発表がなされ、また、これから実施する2団体からは、どのような活動を行うかについてのプレゼンテーションが行われました。
 
 経験交流を行った団体の発言からは、「世代や背景にある文化や暮らし」の違いによるコミュニケーションや合意形成の難しさがあったが、「日本とアジアの共通する課題が発見できた」、「アジアから見た日本という視点で、日本の課題が明らかとなった」、「若者や女性の活躍という点でアジアから多くのことを学んだ」等々、国境を越えて団体や活動の関係者が一堂に会することで大きな成果が得られた点がうかがえました。

 また、「草の根で良いことをやっても押し寄せるグローバル経済にどう立ち向かえばいいのか」「アジアと日本といった対峙のさせかたそのものに疑問がある」といった本質的な問題提起もなされました。

第二部    『未来への展望』とりまとめに向けて

贈呈式フォト

第二部は、3グループにわかれてのグループワーク。各グループは、それぞれ「これからの時代における日本とアジアのパートナーシップとは」「国際協力NGOの役割とは」「国際協力NGOが日本社会に対して発信すべきストーリーは」というキーワードについて議論を行いました。以下、グループワークでの発言を紹介いたします。

パートナーシップとは

・パートナーシップは当たり前、なぜこのような問題提起があるのか。
・パートナーシップを1つの方程式化することはできない。
・自分の団体の個性、持ち味を明確にすることがパートナーシップにつながる。
・アジア全体を1つのコミュニティととらえ、一方で足下のコミュニティを大切にして実践していくことが重要。

国際協力NGOの役割とは

・同情から共感へ、そしてこれからはともに社会をつくる「共創」へ。
・日本社会がすべてうまくいっているわけではない。ともに学び、ともに新しい社会をつくっていくという考え方が重要。
・違う社会を知っているからこその気づきを日本社会に対して、発信していかなくてはならない。

発信すべきストーリーとは

・海外での活動経験があるからこそ気づく日本と海外の共通課題。
・日本だけを見ていると日本社会の問題が見えにくい。
・海外からの学びをいかして日本国内でも実践につなげていくかが課題。
・課題そのものではなく課題解決のための手法を発信していく。
・ソーシャルマーケティングの視点も重要。

懇親会写真

グループ発表後、コメンテーターの熊岡路矢氏より「パートナーシップ、NGOの役割、発信すべきストーリー、という3つの問題はつながっている」という前提に立ったうえで、それぞれのキーワードについて「歴史的経緯などもあり日本がアジアの概念から外れている面がある、良いパートナーシップのためには、そこを一度整理しないといけない」「日本と異なる文化、社会の通訳者としての役割がNGO」「NGOがアジアで取り組んでいる課題は、今後日本社会においてメジャーな課題となっていく」。今後の課題としてこうしたことをより多くの人と共有するためにも「発信力を強化していく必要がある」とコメントをいただきました。

トヨタ財団自身も助成対象となったプロジェクトや人と社会の媒介者であり、通訳者であることが求められていると思います。今回の特別企画「未来への展望」の成果をトヨタ財団としてどう発信していくのかは大きなチャレンジです。個別の団体の成果から見えてくるであろう国境を越えて共有できるテーマを、多くの方々に共感してもらうためにどうとりまとめ、発信していけばよいのか助成対象者をはじめとして様々な方との共同作業を通じて実現していくことができればと思います。(広報グループ喜田記)

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