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トヨタ財団について

ごあいさつ

会長ごあいさつ

2022年の年頭のご挨拶を申し上げます。

2020年の年明け以降、世界はCOVID-19の数回にわたる感染の波に翻弄されてきました。遺伝子科学の進歩により、以前は考えられなかったような短い期間でワクチンが開発されて高い有効性が示され、また、治療薬を含む治療の進歩がみられるなど、感染の初期に比べれば対応するための手段が整いつつあります。一方で、新たな変異株の発生を始め未知のことも多く、今後についてはまだまだ不透明な要素が多いと言わざるを得ません。更に、将来を展望すると、COVID-19を克服しても、新たな感染症が発生するリスクが指摘されています。

COVID-19は、人々が長い間意識することのなかった、社会の営みや世界の経済活動がいかに脆い基盤の上に成り立っているかを改めて認識させると同時に、将来に向かっての新たな構想の確立とさまざまなシステムの改革や創設の必要性を突きつけることになりました。短期間で終息しない深刻な危機への備え、個人の自由と公共の福祉のバランスのあり方、グローバル化のあり方を始め多くの課題が提起されており、COVID-19が収束していない現在こそ、こうした課題を突き詰めて議論すべき適切な時期と考えます。

一方で、今後もよりよい生活を実現していくためには、COVID-19の収束をめざしつつも、立ち止まることなく、それと共生しながら経済社会活動の活性化を着実に進めていかなければなりません。劇的に進歩しつつあるAIやデータを含むデジタル技術の最大限の活用は、そのための極めて有効な手段となります。

COVID-19により、世界の人の移動は大幅に制限され、人の移動に関して「鎖国状態」に近い国も生じています。多様な人々の大規模な移動や深い交流が新たな創造を生み、人類の進歩と経済の発展に大きく貢献してきたことを考えると、一日も早く人の移動に関する制約が緩和され、自由な移動に向かっていくことが期待されます。その実現のため新たな仕組みの構築を始めとして、各国が知恵を出し合い協調して行動していくことが不可欠です。

トヨタ財団は、1974年の創立以来、国内、国際、研究の三つの助成プログラムに取り組むとともに、数年前から、今日の社会の基本に大きく関わる二つの特定課題─デジタル技術等の先端技術と人間社会、外国人材と日本社会─を対象とする助成を行って参りました。そうした中で改めて振り返りますと、長年にわたる助成の成果がともすれば助成対象当事者を中心とする狭い範囲にとどまりがちであり、助成の成果を踏まえた社会に向けての経験と知見の共有のためのトヨタ財団としての努力は極めて不十分であったと言わざるを得ません。そうした反省の上に立ち、昨年から、オンラインセミナー等を定期的に開催するなど積極的な発信に取り組み始めております。今後はさらに、広範なネットワークを有し思いを共有する諸団体とのパートナーシップも視野に、経験・知見共有のハブとなるべくデジタル技術を活用しつつさまざまな試みに挑戦して行きたいと考えております。

2年後の2024年にトヨタ財団は設立50周年を迎えます。設立時の志を大切にしつつも、この50年の間に大きく変貌した日本、世界の実相をしっかりと踏まえ、将来を先取りした、インパクトのある、真に社会に貢献する助成、活動を行うべく不断の改善を行って参りますので、皆様の変わらぬご指導とご鞭撻をお願い申し上げます。

2022年1月
公益財団法人 トヨタ財団
会長 小平 信因

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