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トヨタNPOカレッジ「カイケツ」

第5期トヨタNPOカレッジ「カイケツ」第4回レポート

情報掲載日:2010年9月18日


「カイケツ」
第4期
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トヨタの「問題解決」:計画と実績の「ずれ」を記録

トヨタ財団は9月15日、「2020年度 トヨタNPOカレッジ『カイケツ』」の第4回をオンラインで開催しました。トヨタ自動車の問題解決手法をNPOに伝えることで、組織力の強化や社会課題の解決に役立ててもらうことが目的です。今回は「目標設定」と問題の真因(真の要因)を追究する「要因解析」を進めました。

できるだけ多くの要因を書き出す

「要因解析」は、問題に対する「真因」(真の要因)を特定し、その真因に対する対策立案につなげるステップです。要因解析の手法として知られているのが、「なぜなぜ分析」や「特性要因図」(フィッシュボーン図)です。

魚の骨図とも呼ばれる「特性要因図」の一例(2019年度「カイケツ」の実績から) 魚の骨図とも呼ばれる「特性要因図」の一例(2019年度「カイケツ」の実績から)

「なぜなぜ分析」は、問題に対して「なぜ」を5回繰り返すことで、引き起こした要因を探る手法。「特性要因図」は、「人」「方法」「設備」「製品・材料」の観点から、魚の骨のように要因を洗い出していくのが特徴です。

トヨタNPOカレッジ「カイケツ」では、NPOに対し、参加者単独ではなく、組織のメンバーとともに、考えられる要因をできるだけ多く書き出してもらうことを奨めています。

カイケツの古谷健夫講師(クオリティ・クリエイション代表、元トヨタ自動車)は講座のなかで次のように説明しました。

「『要因解析』は、多くの知恵や仲間の協力が必要で、問題解決の山場ともいえます。要因解析をどこまでできるかが、問題をどこまで解決できるかに影響してきます」

参加するNPOの多くは、人材育成や業務の集中などに悩みを抱えています。あるNPOは、事業が拡大する一方で、個人のモチベーションが低下し、中堅層の離職が続くという状況にありました。

そうした危機感からカイケツに参加し、組織内で問題の要因分析を進めています。

それに対し、古谷講師は「『トップが悪い』『組織が悪い』だけでは前に進めません。要因解析を行うことで、全体を俯瞰して問題の要因を見つけることができます。みんなで話し合いながら、法人としてのビジョンを再確認し、自分たちの役割を明確化していくことが大切です」とアドバイスしました。

計画と実績の「つじつま」を合わせない

1000年の森を育てるみんなの会は、「みんなでつくるみんなの森プロジェクト」(国土緑化推進機構 「緑の募金」交付金による事業)の一環で生物多様性保全のワークショップを行った 1000年の森を育てるみんなの会は、「みんなでつくるみんなの森プロジェクト」(国土緑化推進機構 「緑の募金」交付金による事業)の一環で生物多様性保全のワークショップを行った

栃木県北部にある広大な複合扇状地・那須野が原で、水源林の保全に取り組んでいるのが、特定非営利活動法人1000年の森を育てるみんなの会(栃木県那須塩原市)です。

東日本大震災に伴う森の放射能汚染問題を受けて活動が停滞していましたが、2019年に組織を改編し、活動を再開しました。

同NPOの関谷弓子さんは、「助成事業だけではなく、自主事業も強化していきたい。そのためには人材育成と資金調達が必須だと考えていましたが、カイケツの講座を通じて、まずは運営体制の見直しが必要なことに気付きました」と話します。

現在はトヨタ財団の「しらべる助成」を利用して、手入れされていない、所有者不明の平地林の調査を続けています。これをさらに自主事業として発展させ、所有者を割り出し、整備するところまでを視野に入れて活動しています。

「温泉街に向かう沿道を整備することで、地域住民や観光客に森や自然の魅力を伝え、放置林への関心を高めていきたい。こうした活動を通じて、水源林を保全することの重要性を伝えることができれば」(関谷さん)

関谷さんは運営体制の見直しの一環として、組織図や事業計画の作成を進めています。

担当の古谷講師は「もし、計画と実績に『ずれ』が生じても、そのまま残すことが大切」とアドバイスします。

「計画通りに進むことはまれで、『ずれる』ことは問題ありません。そのずれた理由を考えて対策をすることで、計画と実績の差がなくなり、運営がスムーズになっていきます。元の計画を消すと、つじつまが合って計画通りに実行できたように見えます。しかし、そのうち無理が出てきて、違う人が同じような問題を抱えることになってしまうのです」(古谷講師)

そのうえで「計画がずれたことで、個人を責めないことも大切。役割を分担し、組織全体で効率化を進めることが、組織基盤の安定につながります」と強調しました。

トヨタNPOカレッジ「カイケツ」では、こうした一連の問題解決のプロセスをA3資料にまとめていきます。次回の第5回では、A3資料にまとめた内容を発表し、対策立案まで進める予定です。

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