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トヨタNPOカレッジ「カイケツ」

トヨタNPOカレッジ「カイケツ」第4回 終了後ミニ講座レポート

情報掲載日:2016年7月28日


プログラム トヨタNPOカレッジ「カイケツ」
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トヨタNPOカレッジ「カイケツ」の第4回目が終了後、PubliCo(パブリコ、東京・品川)の山元(やまもと)圭太・代表取締役COOによるミニ講座が開かれました。テーマは、「ファンドレイジング」。その内容をまとめました。

資金調達の本質は「フレンド・シップ」
――山元圭太・Publico代表取締役COO

山元圭太講師

NPOなどの非営利組織にとって、個人や法人から活動費を集める「ファンドレイジング」は一般的には「資金調達」と訳されることが多いですが、山元氏は「(資金調達の)本質はフレンド・レイジング(仲間づくり)」と断言します。

山元氏はファンドレイジングを始める前に、「5W1H」をまとめることが必要だと言います。まず、初めに行うのが、「目的の確認(Why)」です。このステップは5W1H理論の根幹であり、非常に重要です。

このステップでは主に3つの項目を確認します。その3つとは、「(団体内で)ミッション/ビジョンは明確か」「問題解決の仮説シナリオは組めているか」「成果を追及する覚悟はあるか」。

それぞれを意訳すると、「社会とどんな約束を交わしているのか」「その約束をどんな方法で果たすのか」「何があっても約束を守るか」。この3つのうち、どれか一つでも不十分な場合は、「絶対にファンドレイジングはしないでほしい」と強調します。

『寄付白書2015』(日本ファンドレイジング協会編)によると、日本の個人寄付(2014年)は7409億円で、法人寄付(2013年)は6986億円。寄付額は限られており、「社会を良くする力がないのに、情報発信とファンドレイジングだけ上手い団体は 社会的害悪にもなる」と言い切ります。

団体内でミッションが共有できているかを調べる方法として、スタッフに白紙の紙を配り、1分間以内でミッションを書いてもらう方法を提案しました。

山元氏は「ゴールを定めていない登山は、途中で活動疲れや空中分解を起こす可能性が高い」と言います。「最初のうちは、みんなでワイワイ登ることに楽しさを感じるかもしれないが、5合目辺りから、ゴールはどこ?このルートで良いのか?トレーニングは十分にしてきたか?装備はこれで良いか?など相次いで不安要素が出てくる。そうして、疲弊感を感じ、不信感や不安感を大きくし、活動停止につながる」。

Whyを定めた次は、Whatです。NPOの5大財源として、「会費」「寄付」「事業収入」「助成金」「受託」があります。どの財源が最も良いのかと考えることは、「不毛な問い」と山元氏。その理由は、「どの財源にも、メリット・デメリットがある。特定の財源に絞るのではなく、複数の財源のバランスが大切」だからです。

山元氏は立ち上げたばかりのNPOにおすすめなのが、「まずは比較的得やすい助成金で活動を続け、成果や共感を生み出し、寄付/会費や事業収入につなげること」とします。

ただ、ここで気を付けるのが、ファンドレイジングの捉え方。「目的を、お金集めととらえてはいけない」とし、「本当に探しているのは、お金ではなく、ミッションを達成するための仲間」と強調。「フレンド・レイジング(仲間集め)こそ、ファンドレイジングの本質」と考えることを勧めました。

Whatの次は、When(中長期計画)の設計です。このステップでは、営利組織との違いが最も表れます。

営利組織が中長期計画を考えるさい、多くの場合、「利益」「売上」「(事業にかかる)費用」の順番に考えます。一方、非営利組織は、継続的に活動を続けることがゴールではないため、「社会的成果」「支出」「収入」の順に考えます。特徴は、社会的成果をどう測定し、どれだけ出せるのかです。

Whenが終わると、Who(ペルソナ:顧客像)を設定します。ペルソナを作るときのポイントは、「地に足をつけた妄想ができること」。会員データをまとめ、性別ごとに最も層が多い世代をペルソナとして設定します。その層の会員を数人インタビューし、職業や趣味、情報収集方法などを調べます。

ここで大切なのが、そのペルソナに「名前と写真をつけること」。名前と写真がないと、無機質なテキスト情報だけになってしまい、覚えづらいためです。山元氏が行うときには、その年代の最も人気な名前をつけ、写真はその名前で検索したときに出てくる画像を参考にしています。

5Wの最後のステップはWhere(マーケットの整理)。団体にかかわるステークホルダーごとに人数や特徴を調べていくステップです。それぞれがどのようにすれば、かかわってくれるのかの「スイッチ」を記入しておくと便利だと言います。

そして、最後のステップがHow。方法はクラウドファンディングやコーズリレーテッドマーケティングなどさまざまあります。各ペルソナに最も合うHowを考えていくことが重要です。

山元氏は成功の秘けつとして、「コツコツ続けていくこと。そして、仲間を大切にすること」と話し、エールを送りました。

山元氏発表資料PDFファイル(1805KB)

(オルタナS副編集長=池田真隆)

山元圭太:

株式会社PubliCo代表取締役COO
NPO法人日本ファンドレイジング協会理事 / 認定ファンドレイザー / NPO法人国際協力NGOセンター(JANIC)理事 / 島根県雲南市地方創生総合戦略推進アドバイザー
1982年滋賀県生まれ。同志社大学商学部卒。卒業後、経営コンサルティングファームに5年間勤務の後、2009年4月にかものはしプロジェクトに入社し、日本部門の事業全般(ファンドレイジング・広報・経営管理)を統括。 2011年より、非営利組織に対する運営支援を行っている。

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