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プロジェクトイベント・シンポジウムレポート

助成対象者より、国際フォーラム(カザフスタン)の参加報告が届きました(研究助成プログラム)

情報掲載日:2017年6月13日


プログラム研究助成プログラム
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フォーラムの様子

助成対象プロジェクト「カザフスタン共和国アラル海地域におけるサクサウール植林活動の持続性と多元性の向上―地域社会と文化的背景に着目した新たなステークホルダーの創出―」(代表者:松井佳世氏、D15-R-0022)より、プロジェクトの調査地であるカザフスタンで開催された国際フォーラムの参加報告が届きましたので、紹介いたします。

フォーラムで発表する松井氏


カザフスタンでの「アラル海地域の持続的開発に関する国際フォーラム」に参加して


5月30日-31日、「アラル海地域の持続的開発に関する国際フォーラム」がカザフスタン共和国クジルオルダで開催されました。これは、カザフスタン政府、クジルオルダ州政府、IFAS(アラル海地域の問題に取り組む中央アジア5か国の国際機関)、国際科学協会アスタナが主催したもので、アラル海地域の様々な問題に関わる団体、研究者、国際機関、政府関係者が集まり、これまでのアラル海地域における活動成果と将来の連携を強めることを目的として開催されたものです。

当フォーラムでは、今後アラル海地域で行われるプロジェクトに関するメモランダムの調印が主催者間で行われました。国営、及び地元の各テレビ局の取材が入り、開催の様子が中継で報道され、参加者へのインタビューが積極的に行われるなど、カザフスタン国内における注目度の高さを感じました。アラル海地域における、漁業、水・エネルギーの問題、アラル海旧湖底とその周辺村での植林、住民生活の質の向上、ツーリズムや伝統文化を発信する新たな産業の創出、気候変動への取り組み、情報整備、等36の項目への投資を行い、カザフスタン含め周辺各国、国際機関や研究者が協力体制で組み取り組むことが確認されました。

長きにわたりアラル海地域の問題に取り組み続けておられる研究者や機関代表の方々と交流し意見を交わすことができ、本フォーラム参加の意義は大きかったと感じます。日本からは私(松井)が発表者として参加し、招待参加者である石田紀郎氏(NPO法人市民環境研究所、代表理事)が旧ソ連時代から30年近く続けられているカザフスタン研究とアラル海地域での活動の成果を紹介するとともに、私自身のアラル地域の村々での研究成果及び現在進行中のトヨタ財団の助成によるプロジェクトでの活動を紹介しました。在カザフ日本大使館大使も聴きに来られ、フォーラムの主要な全てのイベントに参加されました。 

アラル海の消失以来残される未解決事項、および新たな課題と目標は多岐に渡り、地球規模から地域の視点まで考慮するべきことはたくさんあります。あらゆる分野の研究者や実務者が知見を積み上げ総合的に地域生態系、文化、社会、経済を見つめ地域理解をさらに深める必要性や、また目指すべき将来像に関する活発な対話の必要性も感じました。トヨタ財団の研究プロジェクトで現在行われる調査研究は、重点地域におけるコミュニティベースの植林活動の実施、及び地域に馴染みのある樹木への住民の認識と文化的背景についての学術的記録であり、フォーラムの参加者から当活動に関して意見を交わす機会も多く、今後の成果発表にとって有意義な時間を持てたと思います。

松井  佳世
京都大学地球環境学舎  研究員

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