トヨタ財団について
ごあいさつ
会長ごあいさつ
明けましておめでとうございます。
年頭にあたり一言ごあいさつ申し上げます。
昨年は、わが国において大震災が発生し、世界各地でも災害が多発するなど不安が募りましたが、人びとの支え合いや国際社会から向けられた日本への温かい支援に大きな希望を感じた一年となりました。進歩や発展のなかで生じたさまざまなひずみが、震災等を経て顕在化しておりますが、その中でこそ我々が失ってはいけない価値や精神とは何かを考えていくことが大切ではないかと考えております。
このようなことを踏まえ、当財団といたしましては基本にかえり、「人間のより一層の幸せを目指し、将来の福祉社会の発展に資する」「世界的視野に立ち、しかも長期的かつ幅広く社会活動に寄与する」という設立の精神を確実に継承していきたいと思います。その上で、当財団の活動をより一層充実させるには常に時代の声に耳を傾けつつ、成長していかねばなりません。そのためにも、経営者として私が兼ねてから説いて参りました、「変えること」の重要性というものを改めて意識していきたいと思います。今の時代は、まさに社会全体が良き変化を遂げていかねばならない「時」にあり、当財団が、その礎を築く役割を果たすことができればと考えております。
当財団は、2010年6月に「ビジョン2010」にて、「より良い未来を構築するために“柔らかなきずな”創りをとおして互いに支え合って生きる社会の実現をめざす」ことを掲げました。震災を経た今、「絆」の大切さが広く語られるようになっています。
「絆」や「支え合い」という人間社会の根幹となるもののあり方を見直し、それらを社会の変化にあわせて新たに創りなおすことが重要であります。そのためにも多くの方々の熱く真摯な「創造」への取り組みが不可欠であり、それを支援させていただくことが当財団の使命と考えております。
本年もより良い未来の構築のために努力して参る所存ですので、よろしくお願い申し上げます。
2012年1月1日
公益財団法人 トヨタ財団
会長 奥田 碩
理事長ごあいさつ
トヨタ財団が公益財団法人としての新たなスタートを切ってから、平成24年度で3年目を迎えます。その初年2010(平成22)年6月には、当財団の中長期ビジョンとして「ビジョン2010」を策定し、財団の助成活動も順調にすすんでおります。
しかし今日、日本そして世界は大きな激動の時代に直面しております。昨年3月11日の東日本大震災は、未曾有の大災害となり多くの尊い命を失いました。被災地の復興はようやく動きはじめたところです。また、原発事故の収束に向けては、相当長期の年月を要することが考えられ、その影響は世代や国境を越えて多方面に及ぶことが予測されています。
世界に目を転じれば、「アラブの春」ともいわれる中東地域における民主化の嵐、ギリシャに端を発した欧州危機などと、国際社会においても激変が続いております。しかも今年は世界のいくつかの主要国でリーダーの交代も控えております。加えて、日本は近隣国の挙動から目を離せない状況下にあります。日本が直面している外交、政治、財政、経済、科学技術、社会の諸課題をみますと、私たちが築いてきた日本社会の在りようについて考えさせられることの多い昨今です。
このような中、当財団は、2014年に設立40周年を迎えます。2012年ならびに2013年は、その意味でひとつの準備期間と位置づけることができ、これまで積み上げてきた財団の成果を見直し、今後とも社会の向かうべき方向とその課題をしっかりと見据え、より積極的に社会に役立つ助成事業を遂行できるよう努力してまいる所存です。そのためにも現場の声によく耳を傾け、常に社会の変化に敏感であることが重要です。
2011年度、当財団では、東日本大震災の発生直後よりプログラムオフィサーが現地に何度となく足を運び、また私自身も被災地気仙沼と郡山市内の避難所を訪問させていただくなど現地の状況理解に努めました。その後、被災地の実情に迅速に対応すべく公募プログラムとは別の枠組みで、人材育成に焦点を合わせた比較的規模の大きい事業への助成を実施し、公募プログラムについても震災対応の特定課題を開設し、28件の助成を実施いたしました。
2012年度については、時々刻々と変化する被災地の現状を考慮して、通常年一回だった公募を年二回に変更することにしました。また、地域を越え広域的に課題解決を図るネットワークを生み出すための「地域間連携」助成や被災地域の再生ビジョンを研究する「政策提言助成」も開始いたしました。
地域社会プログラムについては、その名称を国内助成と改め、地域社会にとどまらないより広範な課題に対応できる助成を実施していく予定です。研究助成については、長期的な視野に立って公益に寄与する研究への支援ならびにそうした研究を担う人材の育成を継続していく計画です。
海外への助成につきましては、これまでの助成実績を広く社会に発信することやNGOや国際機関との情報交換等を通して、今後重点的に取り組むべき課題の発掘に努めてまいります。国際社会が大きく変化するなかで、日本と他国との関係もまた転換点を迎えています。今までの経験から学びつつ、新たな視点から国際支援に取り組んでいく必要があると考えています。
2010年6月に策定した「ビジョン2010」において「“新たなきずな(柔らかなきずな)”創りを通して、互いに支え合って生きる社会の実現をめざす」ことを掲げました。おりしも震災後「きずな」という言葉が注目されています。利益や効率を重視した20世紀の価値観が揺らぐなかで、人間社会の基本となる「きずな」に人々の関心が向くのは自然の流れでしょう。人と人、人と自然との間に今の時代状況にあった新たなきずなを創り、よりよい未来を構築することに寄与するためにも、国内や世界の動きに目をこらし、大局観をもちながらも足元から助成事業を着実に積み上げていきたいと考えています。
2012年4月11日
公益財団法人 トヨタ財団
理事長 遠山 敦子




