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トヨタ財団について

ごあいさつ

会長ごあいさつ

2019年新年のご挨拶を申し上げます。

今年は、天皇陛下が退位され皇太子殿下が新天皇に即位される大きな節目の年となります。天皇陛下が即位されたのは1989年。日本はバブル景気の真っ只中にあり、ベルリンの壁崩壊に象徴されるように、東西冷戦が終結した年でした。

それから30年余り。日本も世界も大きく変貌しました。世界をみると、冷戦の終結を機にフランシス・フクヤマが『歴史の終わり』で述べたような、「民主主義と自由経済が勝利することによって、民主主義が社会制度の最終形態として社会の平和と自由と安定を維持する」との仮説はこれまでのところ実現されず、米国やヨーロッパ諸国等では社会の分断やポピュリズムの盛り上がりなどある意味の民主主義の弱点が表面化しています。日本をみると、バブル崩壊以降さまざまな取り組みが行われてきているものの、課題は山積しています。少子高齢化は一段と深刻化し、人手不足が顕在化し、地方の経済社会の疲弊が進んでいます。こうした状況が続けば、長期的には、経済の衰退、さまざまな制度・仕組みの機能不全、災害対応力の低下など国の基盤が揺らぐ恐れすらあります。

このように世界・日本が大きく変貌する一方、デジタル革命等のイノベーションの飛躍的進展が今や「第四次産業革命」と総称される新たな時代を生み出しつつあります。既にAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、ロボットといった先端技術が経済、社会、人々の日常生活に深く浸透し始めています。第四次産業革命は、世界が抱えるさまざまな社会的・構造的課題を解決するにとどまらず、新たな価値を創造することにより人間中心のさらなる豊かな社会を実現することが期待される一方、これまでとは質の大きく異なる新たな技術が、人類が経験したことのない速さで進展していることに、社会の仕組みを始めとして人類がどう的確に対応していくのかという課題に直面しています。こうした課題に知恵を結集して前向きに対応していく一助とすべく、トヨタ財団では「先端技術と共創する人間社会」という特定課題を立ち上げました。春には、助成採択に至ったプロジェクトを皆様にお知らせすることを予定しております。

先に述べたように、現在日本は多くの課題に直面しています。トヨタ財団は可能な限り課題を先取りし、「よりよい明日」につながる未来志向の志をもって活動を推進して参ります。限りあるリソースを有効に活用すべく、「真に社会的意義がある」という視点を常に念頭において重点化を進め、必要に応じ関係の皆様と連携しつつ、対象事業の実があがるよう努めていきたいと考えております。皆様の変わらぬご支援とアドバイスをお願い申し上げます。

それでは2019年の皆様のご多幸をお祈りしながら、筆をおかせていただきます。

2019年1月
公益財団法人 トヨタ財団
会長 小平 信因

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