公益財団法人トヨタ財団

HOME  >  トヨタNPOカレッジ「カイケツ」  >  2017年度  >  トヨタNPOカレッジ 「カイケツ」第2期第2回レポート

トヨタNPOカレッジ「カイケツ」

トヨタNPOカレッジ 「カイケツ」第2期第2回レポート

情報掲載日:2017年6月2日


プログラム トヨタNPOカレッジ「カイケツ」
カテゴリNOctg08

トヨタ財団は5月19日、トヨタ自動車の問題解決手法をNPO向けに伝える「トヨタNPOカレッジ カイケツ」の第2回を実施しました。今回は、「問題解決」の8ステップの1つ目「テーマ選定」について考えました。17団体の代表が4グループに分かれて、どんな問題を解決したいのか、講師とともにテーマ選定を行いました。その模様をレポートします。

「意識」ではなく「行動」を見る

講座の様子 団体が抱える課題の要因を整理して、「解決したい課題」を明確にしていく

問題解決のステップ1「テーマ選定」では、「何を解決すべきか」を決めます。その問題が重要であるか、問題が拡大しているか、問題の影響は大きいか――など、さまざまな観点から何を解決すべきかを判断するステップです。

参加したNPOからは、「スタッフの意識が低い」・「情報が共有されない」・「指示通りに動いてもらえない」といった問題が多く挙げられました。

これに対し、講師を務めたトヨタ自動車業務品質改善部第1TQM室の藤原慎太郎主査は、「共有されていないことで起こる具体的な問題は何か」、「意識が高いというのは、どういう状態か」と問いかけます。

「あるアンケートで、社長は『チャレンジしている社員は少ない』と言い、社員の8割は『チャレンジしている』という結果が出た。意識は目に見えないので、絶対にずれがある」(藤原講師)とし、目に見える「行動」レベルを指標化することを提案しました。

トヨタ自動車には、安全性向上のための標語「ポケテナシ」があるといいます。ポケットに手を入れない、歩きながら携帯電話を使わない、階段の手すりを触る、斜め横断しない、指差し確認をする――の頭文字を取った標語です。単に「安全第一」と呼びかけるのではなく、具体的な行動に落とし込むことで、安全性を高めています。

何が問題かを深堀りする

特定非営利活動法人学校ICTサポーターズ(徳島県)理事長の重金晋さんは、徳島県内の特別支援学校にIT技術者を派遣することで、教師の負担を軽減し、業務を効率化するという支援を行っています。

重金さんは、「派遣した技術者から日報が期日通りに提出されない」という悩みを抱えていましたが、中野講師と「日報が提出されないことで、どんな問題が起こっているのか。何を解決すべきか」を深堀りできたと感想を話しました。

そこで見えてきたのは、時間コストの上昇と潜在的なサービスのばらつき。そのことから問題解決のテーマを「時間コストの削減」に設定しました。

講師からテーマ選定の方法について指導を受ける 講師からテーマ選定の方法について指導を受けるNPO法人あなたの街の「三河や」さんの金井さん

NPO法人あなたの街の「三河や」さん(仙台市)は、高齢者、障がい者、入院患者といった生活弱者の買い物代行やゴミ出し、安否確認などを行っています。同団体は、ゴミ回収の依頼が多く、作業場がゴミで埋まってしまっているという悩みを抱えています。そこで、その回収したゴミを資源化し、スペースを確保した上で、滞留しないように作業を効率化していくことを目指すことに決めました。

同団体の金井理さんは、「本当に困っていたが、多角的な見方ができて光が見えた。自分が気付けていなかったことにも気付けた。これから問題を解決するために頑張っていきたい」と意気込みを語りました

ファンド・レイジングは「5W1H」で

講義する山元代表取締役COO ファンドレイジングについて講義した山元代表取締役COO

カイケツ終了後は、オプショナル講座「ファンド・レイジング(資金調達)」が開かれました。講師を務めたPubliCo(パブリコ)の山元圭太代表取締役COOは「5W1H理論」を展開しました。

「Why?(何のために?)」、「What?(何を集めるのか?)」、「When?(いつ集めるのか?)」、「Who?(誰から集めるのか?)」、「Where?(どこで集めるのか?)」、「How?(どう集めるのか?)」を意識して、ファンド・レイジングしていくことの重要性を語りました。

山元代表取締役COOは、「ファンド・レイジングには、街頭募金、クラウドファンディングなど、たくさんの手法がある。オンラインで広く募るより、手紙を書いた方が響く場合もある。新しい手法に目移りせず、ターゲットに合っているのかを重視することが必要だ」と強調しました。

カイケツの第3回は6月25日に開催します。問題を解決するための2つめのステップ「現状把握」がテーマとなります。


(記事執筆:株式会社オルタナ 吉田広子氏)

このページのトップへ