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特定課題「海の東アジアが醸成する文化」募集要項
トヨタ財団2008年度(平成20年度)研究助成特定課題
「海の東アジアが醸成する文化」募集要項
トヨタ財団研究助成特定課題「海の東アジアが醸成する文化」は、下記のような枠組みでプロジェクトを公募いたします。
1. プログラムの目的
1990 年代から東アジアにおいては人的、物的な交流が深化・拡大してきており、その中で、欧州(EU)や東南アジア(ASEAN)の例に刺激される形で、東アジア単位での広域的な枠組み作りも展望されるようになっています。一方その中で、国家間の関係はナショナリズムの影響もあり、必ずしも安定したものとはいえません。その意味で、民間レヴェルの協働(コラボレーション)を奨励する必要があります。さらに、その協働の中から生み出されるものを、積極的に国際社会に発信して、東アジアのプレゼンスを高めることも重要です。
本特定課題においては、東アジアの交流の歴史的な動脈に相当する東アジア海域部-中国沿海部、朝鮮半島、日本、ロシア沿海州に取り巻かれた海域と暫定的な定義をしておきましょう。特定の固有名を挙げないのは、すでに東アジアの諸国家の間で海の名称それ自体が政治的対立のポイントになっているからです-での国境横断的な民間レヴェルの協働がどのような文化を醸成してきたのか、またそのような国境横断的協働⇒文化醸成を今度どのように促進していくのかを、その中心課題にいたします。
また、実験的な試みとして、今回は映像媒体でのプロジェクト成果の製作・公表を想定するプロジェクトのプライオリティを高く設定いたします。これは映像媒体による成果の方が、国際社会に対して発信が容易なためです。
国境を横断する協働がどのような文化を醸成したのか、についての事例研究プロジェクト、ならびに今後そのような国境横断的な文化醸成をどのように促進するのか、に関する領域横断的かつ課題解決志向の強い調査研究プロジェクトの提案を募ります。
2.皆様に取り組んでいただきたいプロジェクト
皆様に取り組んでいただきたいプロジェクトは以下のようなものです。
(1)東アジア海域部における国家を横断するコラボレーションが国際的に訴求力の高い文化を醸成した事例の発見・分析(過去の歴史的な事例を取り上げる際には、現代の課題とのつながりを明示してください。)
(2)東アジア海域部における上述のような国家横断的なコラボレーション⇒訴求力の高い文化の醸成の機能を強化するための実験(アクション・リサーチ)・提言
(3)文化の生産や流通に携わる実務家(例えば文化産業関係者、NGO 関係者、ジャーナリスト、行政官など)がプロジェクト・チームのメンバーであること。これは、実務家がもっている一次情報をプロジェクトの中で活用するとともに、プロジェクトの成果を実務家にも伝達可能なものにするためです。
(4)国際的なメンバーでのプロジェクト・チームであること。
(5)成果の形態が、映像媒体(DVD など)であること。国際社会を含めた社会への発信を容易にするためです。
3.プロジェクト企画審査の主な視角
主として以下のような視角で、プロジェクト企画の審査は行われていきます。
| 課題の妥当性 | (1)解決を試みるプロジェクト課題と、本プログラムの目的との関連は妥当でしょうか。 (2)プロジェクト課題の社会的意義は妥当でしょうか。 |
| 課題の明晰さ | プロジェクト課題は充分に絞り込まれていますか。また複数以上のプロジェクト課題を設定する場合、課題間の論理的連関と優先順位は説得的でしょうか。 |
| 方法(狭義の方法論のみではなく、スケジュールやプロジェクト・チームの構成なども含みます)の妥当性 | 提案されている方法は、プロジェクト課題を解決する上で妥当でしょうか。 |
| 予算の妥当性 | 提案されている予算は、プロジェクト課題を解決する上で、妥当な金額・内容でしょうか。 |
| 成果と社会に対するその波及効果 | 提案されている成果は、プロジェクト課題を解決した場合、建設的な波及効果を現実社会に与えうるでしょうか。その波及効果は持続的でしょうか。 |
4.本プログラム応募資格
国籍、性別、学歴などによる制限はありません。ただ、一定以上のプロジェクト・マネージメント能力(スケジュール管理、プロジェクト・チーム内の問題意識の統合やメンバー間の役割調整、財団側とのコミュニケーションなど)、は強く求められます。
5. トヨタ財団と個別プロジェクトとの関係
トヨタ財団は、採択されたプロジェクトに単にグラント(助成金)を拠出するだけではありません。以下の領域で、グラント(助成金)を拠出する個別プロジェクトとの関係をもちます。これは、プロジェクト・チームの皆様と、財団が協力をしながらプロジェクトを運営していくためです。
| 審査プロセスにおけるプロジェクト企画プレゼンテーション | 提案されたプロジェクト企画が審査において高いスコアを獲得した場合、トヨタ財団において、当該企画をプレゼンテーションすることがあります。 |
| 審査プロセスにおける改善提案のフィードバック | 同様に、プロジェクト企画が審査において高いスコアを獲得した場合でも、審査者からの、プロジェクト企画内容に対する改善提案が伝達され、企画を修正することを求める場合があります。 |
| 定例の報告・研究会 | プロジェクトの成果とその社会への波及効果の見通しを、プロジェクト・リーダーがプレゼンテーションし、それについて有識者と意見交換する報告・研究会が年1,2 回開催されます。 |
| 若手プロジェクト関係者によるプロジェクト・マネージメント研究会 | 本プログラムへの若手研究者・実務家からのプロジェクト企画の提案は奨励されます。また、そのようなプロジェクト企画が採択された場合、研究会が年に数回開催され、プロジェクト・マネージメントについてのプレゼンテーションと有識者との意見交換が行われます。これによって、若手プロジェクト・リーダーらは、プロジェクト・マネージメントに関してのさまざまな資源にアクセスできるようになります。 |
| コンサルテーション | 定期的に、プログラム・オフィサーが、プロジェクト・リーダーを訪問し、プロジェクトの進捗状況や今後の見通しについてのコンサルテーションを行います。 |
| 社会への波及効果促進支援 | 良質なプロジェクトの成果が産出されたと財団側が判断したときには、社会への波及効果を強化するために、メディア・リレーションなどについて支援を行う場合があります。 |
| フラッグシップ(旗艦)・プロジェクトへの発展可能性 | プロジェクトを拡大・継続したほうが、社会への波及効果が格段に大きくなると財団が判断した場合には、プロジェクト・リーダーと協議したした上で、追加の助成を行い、大型のフラッグシップ(旗艦)・プロジェクトに発展する場合があります。 |
6. プロジェクト企画書を提出する前に
経験的に見て、課題の社会的妥当性の説明が説得的、広義の方法が妥当、課題⇒方法⇒成果(アウトカム)という論理連関がよく考えられている、といった完成度の高いプロジェクト企画は、トヨタ財団への企画書提出以前に、時間をかけて複数以上の関係者からのコメントを仰ぐ、ワークショップを開いて意見交換などをしています。とりわけ、プロジェクト・リーダーの専攻分野から遠い人や、実務家の常識は完成度を上げる上で有効です。
7. 助成・応募の枠組み
| グラント(助成金)の総額 | 2千万円 |
| 一プロジェクトあたりのグラント(助成金)の上限金額 | 1000 万円(1 年間・2 年間プロジェクトのいずれの場合も) |
| プロジェクト実施期間 | 1年間プロジェクト⇒08 年11 月1 日~09 年10 月30 日 2 年間プロジェクト⇒08 年11 月1 日~10 年10 月30 日 |
| プロジェクト公募期間 | 08年3 月10 日(月)~同5 月10 日(土)(消印有効) |
| 審査プロセス | 実務家・研究者から構成される選考委員会においてプロジェクト企画を審査の上、当該年度9 月の理事会で諾否が決定されます。その結果は翌月に文書にて連絡いたします。郵便事情による遅延はありえます。 |
| その他 | プロジェクト企画が採択となったプロジェクト・リーダーは、トヨタ財団と覚書を交換いたします。それに基づき企画を実施することとなります。 |
8. 募集要項のキーワード群
本募集要項のキーワード群を以下のように取りまとめました。
| キーワード群 | |
| プログラムの目的 | 東アジア海域部、国境横断的民間の協働(コラボレーション)、文化の醸成 |
| 皆様に取り組んでいただきたいプロジェクト | 文化醸成の事例発見・分析、文化醸成機能強化のための実験・提言、実務家との混成プロジェクト・チーム、国際的プロジェクト・チーム、映像媒体による成果 |
| プログラム応募資格 | プロジェクト・マネージメント能力 |
| トヨタ財団と個別プロジェクトとの関係 | 企画プレゼンテーション、改善提案フィードバック、報告・研究会、若手研究会、コンサルテーション、社会へのインパクト強化支援、フラッグシップ(旗艦)・プロジェクトへの発展可能性 |
9.その他の注意事項
- 一度提出いただいた企画書の差し替えはできません。
- 採否の結果がでるまではつねに連絡の取れるようにご留意ください。
- 採否の理由はお問い合わせに応じかねます。
- 提出いただいた企画書は返却いたしかねます。
- 提出いただくのは、企画書1部のみです。また添付資料も不要です。
- 企画書をホッチキスでとめる、あるいは製本することはお避けください。
- 送付した企画書がトヨタ財団に到着したか否かのお問い合わせにはお答えできかねます。
- 企画書を両面コピーの状態で提出することはお避けください。
- 企画書に虚偽の記述をしていることが明らかになった場合、仮に採択にいたっていてもグラント(助成金)の取り消しがありえますのでご留意ください。
応募書類から得た応募者の個人情報は、選考(審査)・審査および統計資料作成、本人への連絡等の事務作業に使用します。また、法令で認める場合を除き、本人の同意なく上記目的以外に使用することはありません。
追記:本特定課題は、2007 年度に、特定課題「江南、嶺・湖南、瀬戸内」として開始された助成プログラムの現代的意義を強調するために、再編成されたものです。




