トヨタ財団の活動のあらまし

活動のあらまし
トヨタ財団は設立以来、アジアを中心とする20以上の国と地域を対象に助成活動を行ってきました。学術研究に対する助成の内容は、人文・社会・自然科学のあらゆる領域にわたります。また、それと同時に、地域における各種の実践活動に対する支援や、多くの言語間での翻訳出版促進プロジェクトなどの面でも成果をあげました。※1
研究活動のなかでも基礎研究は、文字どおり学問の礎(いしずえ)であり、欠かすことができないばかりか、場合によっては緊急性も有しています。たとえば古文書調査について私たちは、多くの土地で散逸のおそれのある文献を収集し、解読し、出版あるいはデータベース化するといった、地元の研究者による地道なプロジェクトを支援しています。
私たちは、民間助成財団であればこそ社会のお役に立てるような助成のあり方を絶えず模索してきました。変化の「きざし」をキャッチして新たな課題に取り組もうとする試みへの助成は、その特徴のひとつです。国などの公的機関が大規模な支援を開始する前に時代のニーズをいち早くとらえ、新しい着眼点にもとづく研究や実践活動の芽に対して積極的な働きかけをしています。国内外の若い研究者の成長を応援するプログラムも多く手がけてきました。トヨタ財団の助成活動はつねに未来を見つめています。
くらしに身近な課題を解決したい……そうした民間の取り組みへの支援にも、私たちは早くから努めてきました。現在の「地域社会プログラム」は、1979年にスタートした「身近な環境をみつめよう」研究コンクール、1984年開始の活動記録助成(のち市民社会プログラム)の流れをくんでいます。環境保護、障害をもつ人や外国人との共生、市街地や農村を再生する試みなど、多様な活動が各地で成果をあげつつあることは喜ばしいことです。身近な地域の課題は、いまや世界の人々にとっての共通課題でもありうると、私たちは考えています。
トヨタ財団はこれからも、世界の人々のよき隣人として、ささやかながらも地に足のついた国際協力を行えるよう努めていきたいと思います。東南アジアの研究者、文学者との交流から始まった親しいおつきあいは、たとえば、「東南アジアの人々自身による国境を越えた東南アジア研究」※2という画期的な流れの黎明に立ち会う経験を私たちにもたらしました。こうした交流はいまやアジア全域に及び、さらに拡大しようとしています。人と人とのつながりが生み出す豊かな実りを、皆さまとともに期待しています。
※1 「隣人をよく知ろう」翻訳出版促進助成プログラム(1978〜2003年度)※2 東南アジア研究地域交流プログラム(SEASREP)(1995年度開始)




