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財団からのお知らせ
地域社会プログラム 長野シンポジウムの開催報告
情報掲載日:2009年8月21日
2009年8月8日(土)、ホテルJALシティ長野にて、NPO法人長野県NPOセンターとトヨタ財団の共催によるシンポジウム「中山間地域から考える『くらしの豊かさ』―新しい『長野モデル』の構築と発信に向けて」を開催しました。
本シンポジウムは、中山間地域の現状について、「自立のための仕組みづくり」、「野生生物との共存」、「人が愛し、集う地域づくり」という3つのテーマを取り上げて検証し、これからの中山間地域に必要な「人」、「モノ」、「情報」、「資金」などの有効活用について考えることを目的に行われました。併せて、新たな住民の支え合いや主体的な活動の進展の検討、さらにその持続可能なモデルを長野の事例をもとに構築・発信することも期待されました。
分科会は、上記の3つのテーマに基づいて進められました。第一分科会では、中山間地域が農林業の再生・振興、観光資源、自然エネルギーなどの活用を通じ、いかに自立のための仕組みづくり(「小金のまわる仕組み」)を実現できるかという点が論じられました。各報告を通じ、「好きなこと」の延長線に今の活動があること。そのような仕組みを作るためには、「一方面からの視点で稼ごうとする」のではなく、「小規模でも多角的な経営を実践していく」ことがポイントであるという見解が得られました。
第二分科会では、野生生物との共存について取り上げ、耕作放棄地や荒野の拡大などにより、野生生物が頻繁に里に出てくるような環境が散見されるようになったことが指摘されました。それらを解決するために、地域住民の協力による除草作業の定期的な実施が重要であること、害獣対策を率先して行う人材の有無が大きく影響することが論じられました。そして、高齢化や過疎化の進んでいる集落が、今後どのようにこうした取り組みを進めていくべきかという点が、課題として挙げられました。
第三分科会では、地域への愛着と、その外との交流を通じた地域づくりという視点から、中山間地域における村落生活の変容と、現在の村落生活及び農業の在り方について事例報告が行われました。中山間地域においては、若者の流出や鳥獣被害を食い止めることが極めて難しいことが指摘されています。そのような地域で農業を持続的に行っていくためには、地域の人々が助成金や補助金などに頼らずに自活していく必要があり、農業に対する熱い思いが何よりも重要であるという共通認識が得られました。
最後にパネルディスカッション「中山間地域における地域づくり―その成果と課題、可能性について」が行われました。はじめにコーディネーターである山田千代子氏(NPO法人長野県NPOセンター)のもと、3名のパネリスト(増田今雄氏・信濃毎日新聞社、小川和子氏・小川村を愛し守る会、渡辺尚幸氏・ GREEN.LAB)より各分科会の報告がなされました。その後、パネリストがそれぞれの活動の取り組みを紹介しました。各パネリストからは、村を維持していくための新しい生き方の模索、地域資源(国産材の針葉樹)を利用したスノーボードビジネスの展開、地域環境(希少種)の保全および情報発信など、具体的な取り組みの内容をはじめ、夢を追い求めて地道に活動を続けていけば、いつか実を結び現実のものとなるといったメッセージも参加者へ投げかけられました。
中山間地域では、人口の流出や耕作放棄地の増加による鳥獣被害など、多くの問題を抱えています。しかし、同時に人と人とのつながりや自然といった豊かさがあることも事実です。今回のシンポジウムでは、そうした中山間地域における豊かさや課題を、参加者同士が再認識し、共に中山間地域のくらしを豊かにするために、頑張っていこうと刺激し合う良い機会となったようです。
会場の外では、報告者らが持参した写真やスノーボードなどが展示され、シンポジウムに訪れた多くの参加者の注目を集めていました。




