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財団からのお知らせ

韓国の研究助成プログラムの助成対象者を訪問しました

助成対象者を訪問(韓国)

情報掲載日:2008年3月3日

昨年12月および本年2月に、アシスタント・プログラム・オフィサー、大庭が韓国を訪れました。

12月には、ソウル市で韓国・国民大学校日本学研究所の柳美那先生にお会いしました。柳先生は現在の職名は「研究教授」ですが、実際には多数の講義を担当していて、大変忙しいということでした。そのなかで、柳先生は2006年度と2007年度の研究助成プログラムで助成を受け「植民地期朝鮮における『儒教文化』の研究、その形成と変容――儒教イデオロギーの再編と植民地文化の遺産」というプロジェクトを進めています。このプロジェクトの目的は、韓国の「儒教文化」が植民地期の朝鮮総督府の主導下で形成された過程を明らかにすることにあります。柳先生は、植民地統治の肯定/否定という政治史や経済史の議論を超えて、「当時、人々はいかに生活していたのか」を考えることで、イデオロギー的認識を離れた歴史像を描き、日韓の歴史認識の差を埋める必要性を熱心に話してくださいました。

続いて、ソウル大学から程近い落星台経済研究所を訪れ、李栄薫先生ならびに共同研究者3名とお会いしました。李栄薫先生は、特に植民地期朝鮮の経済に関する研究で有名で、現在ソウル大学経済学部の学部長を務めています。先生のチームは2006年度の研究助成プログラムの助成を受け「戦時期・解放期(1937-1950年)における朝鮮農村の社会変動――断絶と連続をめぐる実証研究」というプロジェクトを実施しています。これは、植民地期朝鮮における物資・労働力の動員が戦後の韓国の農村に及ぼした影響を再考しようとするものです。具体的には、調査対象地の土地台帳、除籍簿、被動員者名簿、被害者申告書などの膨大な資料群をコンピュータに入力し、データベース化する作業が基礎となります。ボランティアの大学院生らの協力で作業は概ね順調であるものの、特に除籍簿に関しては、しばしば個人情報保護法が障壁となり、思うように進捗しない場合もあるということでした。こうしたプロセスを経て作成されるデータベースが果たしてどのような形で最も有効に活用されるのか、財団としても検討していきたいと思います。

2月には、ソウル市で又松大学鉄道経営学部の李容相先生にお会いしました。又松大学のキャンパスはテジョン市にありますが、先生は韓国鉄道技術研究院の顧問も務め、両市を頻繁に往復されているそうです。李容相先生は2006年の研究助成プログラムの助成を受け「植民地時代における朝鮮鉄道の社会経済的な影響力に関する研究――断絶と連続性の観点から」というプロジェクトを実施しています。本プロジェクトでは植民地期朝鮮に敷設された鉄道が現代に至るまでの韓国社会・経済にいかなる影響を及ぼしたか(及ぼしていないか)を明らかにし、韓国における鉄道史研究・鉄道政策の土台作りを行うことをめざしています。韓国鉄道技術研究院は、韓国における鉄道政策の決定において少なからぬ影響力を有しているということですので、やがてこのプロジェクトの成果が大きな社会的インパクトをもたらすことが期待されます。

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